二〇八三 日本壊滅。

二〇八三年、日本を襲った大地震によって、日本は未曽有の国難に陥る。夥しい犠牲、物資の不足、建物の倒壊…、法律は無価値に等しくなり、生きるための盗難や殺し合いが横行した。 それから六年が経ち、日本は少しずつ以前の形を取り戻していくが、大災害の引き起こした爪痕は深く、復興は思うように進まない。富裕層で作られた中心区──「新東京」を除いて。
行き場を失った人々で溢れかえった郊外で、在間イチロウと、在間ジロウの兄弟は、互いを支え合い懸命に生きていた。 運命の分かれ道となった、六月七日、イチロウが元地質学者の老人から、ある異常な願いを聞くまでは…。
人間以下の獣社会が当たり前となった世の中で、人はどう生きていくのか。人の在り方、家族の絆を問う、衝撃の近未来SF。
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獣所ナシ
青燈舎 刊行作品

獣所ナシ

著者:ササダナヲ
定価:475円(税込)
ISBN:978-4-909913-02-9
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